自然が調律し直した音

 

坂本龍一 with 高谷史郎 設置音楽2 IS YOUR TIME」を見てきました。

 

坂本龍一といえば、
80年代にシンセサイザーとか映画音楽とかで
時代の先端を走ってた感じの人よね(笑)

わたしは、いわゆる「音楽」にうといので(爆)
どんだけすごい人なのか、
いまいちピンと来ていませんが(笑)

 

その彼が、近年は、雨や枯葉の音を収集して、
自分の音楽に取り入れていて、
「管理された音楽」にはない表現を追求している、と聞いて、
ちょっと興味がわいたの。

だって、それはシンギングボウルの音にとても近い感じがしたから。

 

 

会場となった、ICC(NTTインターコミュニケーションセンター)は、
暗~い、倉庫みたいなしつらえで、
液晶テレビみたいなモニターがずらっと並んでた。

会場には、最新アルバムの「async」が流れている。
あちこちに置かれたスピーカーから音が流れるから、
空間自体が音に包まれてる感じ。
そして、ずらっと並んだモニターが音に同期して明滅する。

 

その一番奥に、ぽちんと、照明に照らされたピアノが1台。

 

宮城県で津波に逢った、被災ピアノだとか。
学校の体育館で、押し寄せた波に浮かんでいた時の跡が、
ボディに線として残っている。
ピアノ線は錆びていたし、
ペダルも泥まみれだった。

鍵盤の上には、矯正器具みたいな装置が取り付けられていて、
いま、世界のどこかで地震が起こった、そのデータと連動して
演奏するようにプログラムされているんだって。

だから、いつ、鳴るかわからない。

自然が調律し直して、
自然が奏でている、ピアノ。

 

 

実は、坂本さんがこの被災ピアノと出会って、鳴らした時に
「あ、死んでるな」って思ったんだって。

その後、ご自身が病気をわずらって、

で、今回、もう一度鳴らしてみたら
「あ、なんていい音なんだろう」って思ったんだって。

 

わたしたちは、成人していて、健康で、働けることが普通だ、と思っている。
子供だったりお年寄りだったり、障害があったり、病気をしていたり、
それは普通じゃない、スタンダードじゃない、
と、どこかで思っている。

でも、スタンダードじゃなくたって、
「いい音」出せるんだよ。

ゆがんだり、へこんだり、傷ついたり。
だから「いい音」になるんだよ。

 

だとしたら、
どれが「いい音」で、
どれが「よくない音」なんて、
いったい、誰が決められるんだろう?

 

 

言葉

 

「東日本大震災が起きた翌年1月に、
 宮城県の高校に津波で海水に浸かったピアノを録音しにいったんです。
 音が出る鍵盤もあれば沈んでしまって戻ってこない鍵盤もある。
 泥は入ってるし、調律も狂っている。
 普通なら壊れた楽器ということで破棄されるのだけれど、
 僕は、その響きを聴いて、これは自然が調律したんだと感じた。
 むしろ人間がする調律のほうに無理があるんじゃないかと。
 我々が使っている平均律というシステムは、
 自然の感覚じゃなくて数学的に無理やり作ったものですから」

(『婦人画報5月号』特集「坂本龍一 音楽のつくり方」)

 

 

正直、もっと自然の音を収録して、
その音で構成された曲なのかと思っていたけど、

人工的な音で作られた曲の上に、自然の音が乗せてあって、
わたしが勝手に思い描いていた「管理されていない音」というのとは、
ちょっと違っていたけど(笑)

暗い空間の中で、音と向き合う。

それだけでも、なにか深い淵を覗き込むような気持ちになる、
日常とは違った時の流れを感じる、
そんなアート空間を体験してきました。

 

 

残念ながら、現在、この展示は終了していますが、
これから全世界を回るそうですよ(笑)

 

 

 

 

プロフィール

シンギングボウル・インストラクター 奥沢侑生(おくさわゆきお)

 

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